悶絶男と商売繁盛
ある日、悶絶した毎日を送っている30代後半の男から
「どうしたら女性にモテるのか?」という
ストレートな悩みを投げつけられた。
それが判っていたら苦労はしない。
【モテたい】という煩悩に今まで幾らを費やしてきたことか。
しかし、よく考えてみると中々興味深いテーマである。
そこで一緒になって真剣に考えてみることにした。
この【モテる】というのは【気に入られる】と同じであるという
定義で始まった討論会。
すると我々には一つの疑問が浮かび上がった
【女性にモテる】の【女性】は
当然赤ちゃんから、おばあちゃんまでを指すわけだ。
という事は、
本当にモテる男というのは、
赤ちゃんからも気に入られ
お歳を召したご婦人からも
気に入られなければならないのである。
これはかなり難関である。
赤ちゃんは敏感だし
ご婦人は世の中を知り尽くしているだけに、
普通の「らしさ」を越えるものを持っていなければならない。
【女性にモテる】というのは
それらを全て持ち合わしたナイスな男(死語)が得る称号なのである。
「そりゃ無理だな、まあそこまでは必要ないし・・・・」
悶絶男の結論は早かった。
何故なら、このテーマを投げかけた彼は
【女性】といっても【特定の年代の女性】からモテたかっただけなのだ。
しばらくし、この時の討論を思い出した時、
私はこの話が、仕事に結び付く音を聞いた。
【女性】を【顧客】に
【モテる】を【来店】に
置き換えられるではないか? こりゃガチっと!
しかし置き換えたとしても難問である
「どうしたら顧客が来店するのか?」というテーマに
完璧なマニュアルなどは無く、
世間では手探りでそれを模索している。
しかし彼のように、
ある特定層(年代)の顧客(女性)を絞り込めばいいのだ。
その商売に合った特定の【顧客】を見極め、
サービスを増やした方が
確実に来店を増やす事ができる。
逆に言い換えれば、その他の層は
切り離す事もできるのである。
前人未到の【モテる男】の称号は必要無く、
それよりも確実に一人の女性をゲットするように。
私は彼との討論で多くを学んだ。
その彼は今、
求めている女性層の固さに
さらに悶絶している毎日を送っており、
層の選択を、今一度見直ししているらしい。